Q:長年続いている取引先から事業資金援助の要請を受け貸付をすることにしました。貸付に当たって注意すべき点を教えて下さい。
A:貸付に当たっては、貸金額、弁済期、利息、弁済の方法等が重要な要素になります。このような金銭貸借の具体的内容を契約書(できたら公正証書)で明確にする必要があります。
次に、確実に返済してもらえるような方策を定めて契約書に記載しておくことです。例えば、期限後は利息よりも高率の遅延損害金を定めたり、分割弁済の時は弁済を怠った場合は残金全額を一括して弁済を求められるように期限の利益の喪失条項を定めておきます。
さらに、不動産等に担保権の設定を受けたり、連帯保証人をつけてもらうことも考える必要があります。その他、契約書作成の際には、当事者の特定、契約の日付、署名捺印、契印(割り印)等を忘れないようにする必要があります。
利息を定める場合、下記のとおり、利息制限法により利息の上限が定められており、これ以上の利息を受け取ると、その超過分は元本の弁済があったものと取り扱われますので、元本の払い過ぎとなったときは逆に払い過ぎ分の返済を求められることがあります。この点注意して下さい。
記
10万円未満の貸金の場合 年20%
10万円以上100万円未満の貸金の場合 年20%
100万円以上の貸金の場合 年15%
10万円未満の貸金の場合 年20%
10万円以上100万円未満の貸金の場合 年20%
100万円以上の貸金の場合 年15%
なお、年率20%を超える利息には刑事罰がありますので、注意して下さい。
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弁護士 田中宏幸