弁護士コラム

取引先会社の社長の個人に対する請求の可否

Q:取引先の会社に対して売掛金が800万円あるのですが、取引先の会社が倒産してしまいました。かなりの資産を持っている社長個人に対して請求できないでしょうか。

A:社長個人が(連帯)保証人になっていない限り、原則として社長個人に対して売掛金の請求はできません。
しかし、その取引先が、個人と会社の実態がはっきりと区別できず、単に会社という形をとっているだけで、その実は個人的営業であるという場合には、社長に対して800万円の請求ができる場合があります(これを法人格否認法理といいます。)。例えば、株主は実質一人である場合や家族や親戚の者が名を並べているだけのような場合です。但し、社長個人に対して請求できる場合は、実際上はまれです。

大阪・難波の法律事務所
田中宏幸法律事務所
弁護士 田中宏幸