弁護士コラム

相続開始後の建物の明渡し

Q:父が死亡し、母、兄、そして私の3人が相続人になりました。
亡父は生前、母と共に兄夫婦と同居していましたが、父の死後、母は兄嫁と折り合いが悪く、家を出て私と同居しています。
兄夫婦は遺産分割の協議に応じず、父の遺産である家(土地を含む)に住み続けています。
私と母の相続分の方が多いので、兄に対して家の明渡しを求めることはできないでしょうか。

A:あなたとお母さんの法定相続分の合計は、3/4になります。
しかし、その3/4をもってしても、そのことをもって当然に、お兄さんに対し、家の明渡しを求めることができるわけではありません。
ただ、お父さんの死去後、お兄さんが従前と異なる使用方法を始めたり、新たな建築物を建てようとしているときは、家の明渡請求ができる場合もあるでしょう。

弁護士 田中宏幸