弁護士コラム

寄与分

Q:私は、父が経営していたレストランを、高校卒業後長年手伝ってきました。そのため、私名義の不動産や預金は持たずレストランのために働いてきました。
 先日、父が亡くなりました。弟たちは父の遺産である店を売って現金を平等に分けるように主張しています。
 この場合、私の働きは父の相続において評価してもらえるのでしょうか。

A:相続人の中に、被相続人の財産の維持あるいは増加に特別に貢献(寄与)をした人がいる場合には、その人は遺産分割にあたって、法定相続分によって取得する額以上の遺産を取得することができます。
 あなたの場合、お父さんの財産の維持あるいは増加に特別の貢献をしたものと認められるかどうかが重要となります。
 あなたの寄与分が認められれば、遺産分割にあたってこの寄与分が評価されます。
 ただ、具体的に多く取得できる額(寄与分)がどれくらいになるかは、相続人の間で決めるのが原則です。
 しかし、協議が調わなかったり、協議できないときは、家庭裁判所に申立てをしてその額(寄与分)を定めてもらうことになります。

弁護士 田中宏幸