弁護士コラム

両親の一方の死亡の場合

Q:父母のうち、父が先に亡くなりました。相続税を支払う現金がなかったため、とりあえず母に父の遺産を全て相続してもらうことにして、何とか相続税の支払いをしなくて済むようにしたいのですが、何か問題があるでしょうか。
A:確かに、配偶者の税額軽減特例を利用して、相続税の支払いを免れる方法を選択されるのも節税の一つの方法ですし、税理士もその方向でアドバイスをすることが多いでしょう。
しかし、全財産を母親に相続させるような場合は、相続税は極端な累進課税ですから、母親の相続のときに相続税の負担が増え、長い目で見れば節税の目的に合致しないことがありますので、この点に注意する必要があります。

弁護士 田中宏幸