弁護士コラム

相続放棄⑸―相続分の放棄との差異―

Q:相続放棄とは別に、「相続分の放棄」ということを聞
きますが、相続放棄とはどういう点について差異がある
のですか。

A:「相続分の放棄」は、被相続人が死亡後に、相続によっ
て得る積極財産(プラスの財産)についての具体的な相続
分を放棄することです。「相続分の放棄」をしても消極財産
である負債(債務)については、これを承継することを免れ
るものではありません。従って、「相続分の放棄」をするこ
とは、プラスの財産は引き継がないが、マイナスの財産
(負債)は法定相続分に応じて引き継ぐことになりますの
で注意して下さい。

弁護士 田中宏幸