弁護士コラム

契約内容を公正証書にするメリットcolumn

2013.10.28
Q:取引先との契約書を公正証書にしておけば、有利になるでしょうか。

A:一般的には公正証書でない場合よりも公正証書の方が有利になる場合が多いでしょう。しかし、公正証書の内容により必ずしも大きな期待ができない場合もありますので注意が必要です。
公正証書が利用される典型的な場合は、金銭消費貸借契約、つまり金の貸し借りの場合です。公正証書に債務者が直ちに強制執行を受けても異議がないとの文言(執行認諾文言)の入っているときは、強制執行が容易になります。このとき、公正証書に金利や損害金等の約定があれば、元金に加えてこれらの債権も対象になります。
公正証書に上記の執行認諾文言を付けられるのは、予め支払額が契約で定められている場合です。従って、例えば、継続的な商取引のように、支払額が定まらない場合には、執行認諾文言は付けられません。ただ、(根)抵当権の設定を公正証書で契約した場合は、任意競売の申立てができますので、強制執行と同じ効果を得られます。
その他、不動産の明渡請求権や特定物の引渡請求債権、公正証書作成後に債権額が変わったときには、たとえ執行認諾文言がついていても、公正証書で強制執行はできませんので注意して下さい。

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