弁護士コラム

条件付き遺言column

2016.01.12

Q:私たち夫婦には、2人の息子がいますが、二男は障害者で一人で生活することができません。私が死去したときに妻が生きていれば妻に全財産を相続させ、妻が先に死去していれば、二男の面倒をみることを条件に、長男に全財産を相続させるという内容の遺言を残したいのですが、このような遺言は有効でしょうか。

A:一般的に条件付きの遺言も一応有効なのですが、条件の内容が抽象的なために条件の成否を確定できない場合があるため、条件の成否が明確な場合以外はお勧めできません。

この点、「妻が生きていれば」という条件は明確ですが、「二男の面倒をみること」という条件は、内容が抽象的ですし、将来に関するものですから、相続開始時点では条件が満たされているとはいえません。

本件のような場合には、事前に長男との間で、二男の生活についてよく話し合って、条件の内容を具体的に記載するようにするとか、二男に成年後見人を選任してもらい、二男に多めの遺産を相続させるなどを検討してみることをお勧めします。

 

弁護士 田中宏幸

06-6630-3005