弁護士コラム

特別受益⑶ ―結婚の際の贈与―column

2016.06.21

Q:結婚の際に、被相続人(父・母)から、持参金あるいは支度金を出してもらったり、結納金や挙式費用を出してもらった場合、特別受益に当たりませんか。

A:持参金や支度金は、その金額が大きいときは、一般的には特別受益に当たります。ただ、遺産総額との比較において、極小さな割合と評価される場合は、特別受益に当たらないとされることもあります。
例えば、相続人3人(各自3分の1)のケースで、3000万円の遺産の場合に、相続人1人の持参金が500万円となると、特別受益に当たるといってよいでしょう。
これに対し、遺産が数億円ある場合で持参金が100万円というケースでは、特別受益性は否定されると判断されるでしょう。
結納金や挙式費用を出してもらった場合は、特別受益には当たらないと考えて下さい。

弁護士 田中宏幸

06-6630-3005