弁護士コラム

生命保険の注意点column

2016.11.29

Q:かわいい娘に少しでも財産を残すため、娘を受取人と
した生命保険をかけようと考えています。何か注意点は
あるでしょうか。

A:生命保険の契約内容によっては、相続人間でトラブル
を招く恐れがありますので注意が必要です。
判例上、生命保険の死亡保険金は相続財産にはあたらず、
受取人の固有の権利とされています。このため、生命保険
金の受取人を娘さんとしておけば、娘さんは他の相続人と
遺産分割協議をすることなく、死亡保険金を取得すること
ができます。
このように、生命保険金は受取人の固有の権利ですので、
本来的には特別受益にはあたりません。しかし、他の相続
人との間で著しい不公平が生じた場合には、例外的に特別
受益の規定が類推適用されて、死亡保険金が相続財産に持
戻しされることもあります。
従って、相続紛争を避けるためには、相続人全員に生命保
険をかけるとか、生命保険による不平等な点に配慮した遺言
を残すなどの工夫が必要です。

弁護士 田中宏幸

06-6630-3005