弁護士コラム

寄与分⑹ ―寄与分の要件―column

2016.11.25

Q:寄与分が認められるための要件は何でしょうか。

A:寄与分が認められるための要件は次のとおりです。
⑴ 相続人自らの寄与があること
相続人以外の者の寄与分を認めると、その範囲が拡が
り手続が煩雑になり、遺産分割を遅らせることになるから
です。
もっとも、例えば、被相続人の介護の場合、相続人の
配偶者が相続人の履行補助者と評価して相続人の寄与分
を認めることは可能です。
⑵ 寄与行為が「特別の寄与」であること
被相続人と相続人の身分関係から通常期待されるよう
な程度を超える貢献であることが要求されます。例えば、
相続人が被相続人の子である場合は、通常子であれば期
待されるような介護では寄与分は認められません。
⑶ 被相続人の遺産が維持された又は増加したという財産
上の効果があったこと
このため、財産上の効果のない精神的な援助や協力は、
寄与分として考慮されませんので注意して下さい。

弁護士 田中宏幸

06-6630-3005