弁護士コラム

相続人以外の者への贈与column

2016.12.09

Q:父は生前長女の娘が私立大学の医学部を卒業するま
で、多額の援助を行ってきました。このため、父の遺産は
かなり減っています。父の長男である私と姉が相続人で
すが、相続分は同じになるのでしょうか。

A:一見長女に特別受益があるように思われますが、特別
受益は相続人が贈与を受けた場合ですので、原則として
特別受益にあたらないことになります。
しかし、相続人の娘に対する贈与でも、実質的にはそ
の相続人に対する「遺産の前渡し」の趣旨の贈与と評価
するのが相当な場合には、遺産分割手続において、その
贈与を特別受益として主張することも可能かと思われま
す。
その際、贈与の経緯、贈与金額、遺産全体に占める割
合、贈与の性質等実質的には被相続人から相続人に対
する贈与と同視できることを主張することになります。
特別受益の主張が認められれば、あなたと姉との具体
的相続分は変わってきます。

弁護士 田中宏幸

06-6630-3005