弁護士コラム

共同根抵当権column

2013.12.13
Q:A社が担保として差し出してきた不動産には共同根抵当権が設定されているのですが、共同根抵当権とはどんな権利ですか。

A:共同根抵当権とは、債権者が、同一の債権の担保として、数個の不動産(たとえば、建物とその敷地)の上に根抵当権を設定し、共同根抵当権である旨の登記をしたものです。共同根抵当権とする場合の、根抵当権者、設定者、第三者の立場からの長所短所を述べると次のとおりです。
1) 根抵当権者からすれば、ある不動産の担保価値が低くても、他の不動産の担保価値と併せて全体として極度額を確保できれば実害はないという長所があります。短所は、共同担保関係にある物件のうちの一つがたとえば第三者に差押されてその元本が確定すると、共同担保関係にあるすべての物件につきその元本が確定してしまうことです。
2) 設定者からすれば、不動産の価値に応じて負担が割りつけられる(負担割付主義)ので、担保価値に余剰ができるという長所があります。
3) 根抵当権の後順位者からすれば、負担割付主義により物件の担保価値の余剰が分かり、又、共同根抵当権を設定するときは共同担保目録を添付しますので、これを見ることによってその債務者の有している不動産の範囲をおおよそ把握することができるという長所があります。

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