弁護士コラム

相続分の譲渡人の調停手続参加の要否column

2014.11.14

Q:遺産分割の調停申立の前に、他の相続人に対して、相続分を譲渡した相続人は、調停手続の当事者として参加しなくてもすみますか。

A:遺産分割の調停申立の前に、共同相続人のうちの1人(譲渡人)が、他の共同相続人(譲受人)に対し、相続分の譲渡をしている場合は、譲渡人が共同相続人として有する一切の権利義務は包括的に譲受人に移転されることになります。従って、相続分の譲渡によって、譲渡人は遺産分割手続の当事者適格を失うことになります。
そこで、調停申立時に、譲渡人が譲受人に相続分を譲渡したことを証する文書の原本(譲渡証書等)を提出すれば、譲渡人は、当事者として手続に参加する必要はなくなります。
 ただし、利害関係人として手続に参加することを求められる場合があることは了解しておいてください。

弁護士 田中宏幸

06-6630-3005