Q:遺産分割において「寄与分」という言葉を聞いたことがありますが、それはどういう内容をいうのですか。
A:共同相続人の中に、被相続人の財産の維持又は増加について特別の貢献をした人がいる場合に、遺産分割において、その人の貢献の度合い(これを「寄与分」といいます)に応じてその人の相続分を増やして具体的な相続分を算定することがあります。
Q:貢献の内容としては、
1.被相続人の事業に関する労務の提供の場合(家業従事型)
2.財産上の給付の場合(金銭等出資型)
3.被相続人の療養看護の場合(療養看護型)
その他がありますが、ここで注意すべきことは、寄与分が認められるためには、親族間において通常期待される程度を超えた貢献であることが必要です。単に、他の相続人と比較して貢献の度合いが大きいというだけでは「寄与分」には該当しないということです。
寄与分が認められるためには、次の要件を満たすことが必要とされています。
1.特別の寄与であること
2.被相続人の財産の維持又は増加と因果関係があること
3.寄与行為に対し対価を受けていないこと
4.相続開始時までの寄与であること
弁護士 田中宏幸