弁護士コラム

母親に全財産を相続させた場合column

2015.08.17

Q:父親の遺産を母に全て相続させることにしたのですが、母も高齢ですので、兄弟間で注意することはないですか。

A:お母さんが元気なうちはよいのですが、介護を要する場合に備えて、お母さんと子供の間で、お母さんの介護の方法などについて十分話し合って、その対応方法を決めておくことをお勧めします。この点について、十分な話し合いのないまま、誰かがお母さんと同居して介護を行っても、他の兄弟から見ると、お母さんの財産を自由に使っているように見えてしまいます。また、お母さんに認知症が出てくると、お母さんの財産を狙っているのではないかとか、お母さんを騙して自分に有利な遺言書を作らせるのではないか等と疑う気持ちが強くなり、「私が母の面倒をみる」と言って母親の取り合いや遺言書の書かせ合いを始めることがあります。このような事態に陥らないように、兄弟間での話し合いが必要なのです。

弁護士 田中宏幸

06-6630-3005