弁護士コラム

遺産分割の審判(その2)column

2015.10.29

Q:相続財産として、亡父の自宅不動産しかない場合、審判手続に移行すると、どのような遺産分割の審判になるのですか。

A:このような場合は、①相続人のうち一人が自宅不動産を取得して、他の相続人に代償金を支払う方法(代償分割)や、②自宅不動産を任意売却して売却代金を相続人で分配する方法(換価分割)が合理的な方法です。

しかし、審判に移行すると、相続人に代償金を支払うだけの十分な資力がない場合には、当事者が希望していない自宅不動産の競売による換価が決定されることがあります。また、自宅不動産を相続人全員の共有にする審判が出されることもあります。この場合は、審判確定後に共有物分割手続を行うことが必要になり、訴訟で処理することもあって、余分の時間と費用がかかってしまいます。

審判手続に移行する前にその長所・短所を十分検討しておく必要があります。

 

弁護士 田中宏幸

06-6630-3005