弁護士コラム

行方不明の相続人column

2016.01.18

Q:弟が自営業に失敗して自己破産した後、約5年前から行方不明になってどこに居るのか全くわかりません。先日父が死亡しました。父の相続人は母と私と弟の3人です。このような場合、遺産分割協議はどのようにすればよいのでしょうか。

A:このような場合、弟さんが行方不明だとしても、遺産分割協議から弟さんを除外することはできません。そうなると、亡父の預貯金などの解約払戻しができず、また、亡父の不動産の相続登記もできず困ったことになります。

そこで、民法はこのような場合に備えて「不在者財産管理人」の制度を設けています。この不在者財産管理人は、行方不明の弟さんに代わってその財産を管理する権限を持ちますので、この「不在者財産管理人」を弟さんの代理人とみなして遺産分割協議を行うことができることになります。「不在者財産管理人」は家庭裁判所で選任されることになっていますので、家庭裁判に選任申立てを行います。

弁護士 田中宏幸

06-6630-3005