弁護士コラム

一人身の高齢者の財産管理方法⑵-財産管理契約-column

2017.02.16

Q:一人身の高齢者の財産管理方法としての「財産管
理契約」とはどういうもので、どうしたらよいので
すか。

A:財産管理契約というのは、第三者に自分の財産管
理を委ねることを内容とする準委任契約です。
「第三者」は、信頼できる人であることが大切です。
例えば、身近に信頼できる人の中に、財産管理に
詳しい人(例えば弁護士)や、丁寧に財産管理してく
れる人がいれば、そういう人に依頼するのがよいです。
具体的な管理の内容としては、
① 預貯金通帳、印鑑、不動産の登記済権利証書・有価
証券、貴重品等の保管
② 年金給付や賃貸不動産の賃料・地代の収入の管理
③ 賃借家屋の家賃、公共料金、介護費用、医療費等の
支払代行等
を挙げることができます。その他、
④ 介護保険の申請手続、入通院、ヘルパー、有料老人
ホーム、社会福祉施設の手配や施設入居契約の援助等、
介護や医療の手続の支援(これらを「身上監護」とい
います。)についても契約内容に入れておくこともで
きます。
以上のような内容を財産管理契約書として作成し、ご
自身と信頼できる第三者との間で契約の締結を行います。
「第三者」に対しては、財産管理の報酬として、協議に
より、定めた月額数万円を支払うことも契約内容に入れ
ておくのが通例です。
この契約書は、財産管理に詳しい弁護士に依頼して作
成してもらうと便宜です。

弁護士 田中宏幸

06-6630-3005