弁護士コラム

遺言書の保管column

2018.02.01

Q:遺言書を作っておこうと思っているのですが、作った遺言書
をどのように保管しておけばよいのか迷っています。どうした
らよいでしょうか。

A:⑴ 自筆証書遺言と秘密証書遺言の場合は、その原本が1通
ということになりますので、保管方法には問題がつきまと
います。
遺言執行者を指定するときは、その人に保管してもらう
のがよいでしょう。あなたが死亡したときは、その人に連
絡が必ず入いるようにしておくことです。
遺言執行者を指定しないときは、自分で保管するか信頼
できる人に保管してもらうかになります。自分で保管する
ときは、相続人が見つけにくい所は問題ですし、家族が容
易に見つけられる所も困ります。金庫や鍵のかかる引出し、
貸金庫などが適切です。信頼できる人がいるならその人に
保管してもらうのがよいでしょう。
⑵ 公正証書遺言の場合は、原本が公証役場で保管され、遺
言者に正本と謄本が各1通交付されます。正本や謄本を紛
失しても公証役場で再交付してもらえますので安心です。
また、平成元年以降に作成された公正証書遺言は、相続
人等の利害関係人ならば、全国の公証役場で検索すること
ができますので、仮りに公正証書遺言の正本・謄本が発見
されなくても、相続人が公正証書遺言を見つける手段があ
って安心です。
公正証書遺言の正本・謄本の保管方法は、上記⑴と同様
ですので、トータルで考えると、公正証書遺言にしておく
と安心です。

弁護士 田 中 宏 幸

06-6630-3005