弁護士コラム

配偶者居住権⑶column

2019.07.16

Q:居住建物の一部を第三者に賃貸していた場合(例えば、2階
部分を賃貸していた場合)でも、配偶者は配偶者居住権を取得
することができるのでしょうか。
配偶者居住権を取得できる場合、賃料を取得できるのは、配
偶者でしょうか。それとも建物を相続した所有者でしょうか。

A:被相続人が居住建物の一部を第三者に賃貸していた場合でも、
配偶者居住権は認められます。
配偶者居住権を取得した配偶者は、居住建物を相続した所有
者との関係では、第三者に賃貸している部分も含めた居住建物
全部について使用・収益をすることができる権利を取得するこ
とになります。
但し、既に賃借している第三者の建物賃借権に対しては、配
偶者は配偶者居住権を主張(対抗)することはできないことに
なると思われますので、賃料を取得することができるのは、賃
貸人の地位を承継した居住建物の所有者になります。

弁護士 田 中 宏 幸

06-6630-3005