弁護士コラム

債権の消滅時効の中断column

2014.02.03

Q:消滅時効を中断させるにはどうすればよいのですか。

A:消滅時効にかかりそうになったときは、直ちに時効中断の措置をとる必要があります。民法は、時効中断事由として、①請求、②差押え、仮差押え又は仮処分、③承認を挙げています。以下、順に注意すべきことを述べてみます。

1.「請求」について
⑴ここでいう「請求」とは、裁判上の請求に限られます。単なる支払の催促である「催告」をしただけでは、時効中断の効力は生じません。催告してから6か月以内に、裁判上の請求、差押え・仮差押え・仮処分、承認のいずれかを行って初めて時効中断の効力が生じます。催告を繰り返しても時効中断の効力は生じませんので注意して下さい。
⑵この「裁判上の請求」には、通常の訴訟の他に、手形訴訟、支払督促等も含まれます。

2.「差押え、仮差押え又は仮処分」について
⑴仮差押え・仮処分の理由がないとして取り消されたときには時効中断の効力は生じません。
⑵保証人、物上保証人に対して差押え等を行っても、主たる債務について時効中断の効力は生じません。しかし、差押え等を行った旨を主たる債務者に対し通知すれば主たる債務についても時効中断の効力が生じます。

3.「承認」について
⑴ここにいう「承認」とは、債務者が債権者に対して債務があることを認めることをいいます。債務承認の意思は書面で確認し、確定日付をとっておくと万全です。単に、口頭で債務の承認を得ただけでは安心できません。
⑵「承認」には、支払猶予の申入、利息の支払い、債務の一部弁済も含まれます。

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弁護士 田中宏幸

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