弁護士コラム

遺言後の遺産の処分column

2014.07.18
Q:実父は自分が死ねば不動産その他の財産を私に譲るという遺言を作ってくれたのですが、気が変わって不動産を次々と売却しています。実父が死去したとき、既に処分された不動産に対して私は何の権利も主張できないのでしょうか。

A:本件の場合、実父が遺言と矛盾した行為をしたことになります。このため、あなたに対する遺言は、既に処分された限度でその遺言が撤回されたものとみなされます。従って、実父が死去したとしても、既に処分された不動産はあなたのものにはなりません。
これは、もともと遺言というものが亡くなった人の最終の意思を尊重する制度であることから、死亡するまでは本人の意思を優先させるためです。

弁護士 田中宏幸

06-6630-3005