弁護士コラム

調停不成立と審判移行column

2014.11.17

Q:遺産分割の調停での話合いがまとまらず調停不成立となった場合は、その後の手続はどうなるのですか?

A:調停が不成立となった場合は、原則として家庭裁判所による審判手続に移行します。
 そして、当事者から提出された資料や事実の調査の結果に基づいて、家庭裁判所が遺産分割について審判を行うことになります。
 なお、調停手続は柔軟性があり、本来遺産分割手続で扱えないもの(葬儀費用、相続債務、使途不明金や祭祀承継など)を含めた全体的な解決を行うことが可能となりますが、審判手続は、原則としてこれらの付随的な問題を取り扱うことができませんので、当事者の期待するような抜本的な解決を図ることができない場合もありますので、この点の考慮も必要です。
 また、審判では、例えば、預金については、相続開始時に当然に法定相続分に応じて分割されていると解されていますので、遺産分割の審判の対象から除外されます。そうすると、各相続人が銀行等を相手にして法定相続分に応じた解約・払戻しなどの手続をとる必要があります。

弁護士 田中宏幸

06-6630-3005