弁護士コラム

遺産分割協議の注意点column

2015.06.16

Q:10ヶ月程前に父が亡くなりました。同居していた兄から「税理士に相談したら莫大な相続税がかかることが分かった。今すぐ署名・押印して遺産分割協議書を送り返してくれ。」と言われ、遺産分割協議書が送られてきました。
私の相続分が少ないので兄に電話したところ、「これは相続税申告のための仮のものだから、不満があるなら後で話し合えばいいではないか。」と言っています。
相続税申告期限の直前なので、この遺産分割協議書に署名押印しておけばよいのでしょうか。
A:相続税の申告期限までに、遺産分割がまとまらないことはままあります。このようなときは、「未分割」として相続税の申告をすれば足ります。(また、一旦相続税を納付しておきます。)
3年以内に修正申告をすれば、配偶者の税額軽減、小規模宅地の特例も遡って適用できます。
従って、不本意な遺産分割協議書に署名・押印することは、後日のトラブルの原因にもなりかねませんので、お勧めできません。

弁護士 田中宏幸

06-6630-3005