弁護士コラム

相続人不存在の場合⑴column

2017.03.17

Q:私はずっと独身で借家で一人暮らしをしています。
私には身寄りがなく、近所に住むいとこの世話になって面倒を
みてもらっています。
私が死亡したときに、そのいとこに私の財産を受け取ってもら
っていろいろな後始末などしてもらいたいのですが、今のうちに
準備しておくことがあれば教えて下さい。

A:そのいとこを包括受贈者とする遺言を作成することをお勧めし
ます。
もし、このような遺言がないと、あなたの相続人が不存在とい
うことで、相続財産管理人を選任してもらうための手続及び費用
(予納金数十万円~100万円)がかかりますし、特別縁故者とし
てそのいとこにあなたの財産の全部又は一部を分与する手続にも
一年位の日時を要します。
そこで、より簡便な手続として、上記のように、いとこを包括
受贈者とする遺言を作っておくと、いとこは相続人と同一の権利
義務を有することになりますので、相続人不存在の場合のような
面倒な手続を避けることができます。
包括遺贈の場合でも、あなたの財産の名義変更のために遺言執
行者が必要になりますので、遺言で遺言執行者を指定しておくべ
きです。
遺言執行者の指定も含めて、いとこと一緒に、弁護士に相談さ
れることをお勧めします。

弁護士 田中宏幸

06-6630-3005