弁護士コラム

遺言書の種類と長短⑶column

2017.11.24

Q:各遺言書の長所・短所を教えて下さい。

A:(前回の続き)
秘密証書遺言についてお話します。
この秘密証書遺言は、遺言の内容を誰にも知られたくない
場合に利用されるものです。
具体的な作成方法は、次のとおりです。遺言者が、遺言書
を作成して署名捺印します。この遺言書はパソコンやワープ
ロで遺言内容を作成してもかまいませんが、署名は自筆する
ことが必要です。この遺言書を封筒に入れて封印します。
封印するときの印鑑は、遺言書に捺印した印鑑と同じものを
使います。この封筒を公証人一人、証人二人以上の立会って
いる前に提出して、公証人に認証してもらいます。これで完
成です。
この秘密証書遺言は、開封するまで遺言内容を誰にも知ら
れないという長所はありますが、公証役場が保管するわけで
はありませんので、紛失してしまう恐れはあります。また、
自筆証書遺言と同じく、遺言者の相続開始後に、家庭裁判所
での検認手続が必要となります。

弁護士 田中宏幸

06-6630-3005