弁護士コラム

遺言 ―一部遺言―column

2017.11.30

Q:私は、長男と同居しています。自宅の土地・建物(時価5000
万円)は長男に継がせたいので、そのことだけを書いた遺言書を作
成しました。他の預貯金(4000万円)は、長男・長女・二男の
三人で話し合って分けてもらいたいのですが、問題ないでしょうか。

A:確かに、同居している長男に世話になっているでしょうから、引
き続き自宅は長男に譲りたいと考えるのは極めて自然なことであり、
無理のないことです。
そして、自宅の土地建物の価値が、あなたの全財産に占める割合
が極めて小さい場合は、あまり問題にはならないでしょう。しかし、
自宅の価値が全財産に占める割合が大きい場合は、何かと問題が発生
する恐れがあります。例えば、長男が高齢のあなたに無理矢理遺言を
書かせたに違いないとか、他にも長男があなたの財産を取り込んでい
るのではないか等の疑いを他の相続人がかけてくる恐れがあります。
そうなると、自宅以外の遺産の分割手続が紛糾し、長期化する恐れ
が高くなってしまいます。
従って、遺産の一部の遺言はお勧めすることはできません。

弁護士 田 中 宏 幸

06-6630-3005