弁護士コラム

遺言 ―相続分の指定―column

2017.11.20

Q:遺留分を意識して妻に3分の1、長男に3分の1、長女と二男
に6分の1ずつ相続させるという遺言を作成しようと思うのです
が、何か問題はあるでしょうか。

A:このような遺言は、「相続分の指定」をしたものになります。
相続分の指定ですと、特定の財産を誰が引き継ぐかという点につ
いては定まっていませんので、相続財産は共有状態になります。
このため、個々の財産を誰が相続するかについては、遺産分割の
手続が必要になります。
そうすると、相続分の少ない長女と二男は、不愉快ということ
で遺産分割手続は紛糾する恐れがあります。
このように、「何分の何」を誰々に相続させるという「相続分
の指定」は、却って残された相続人たちに面倒をかけてしまう結
果になりかねません。
やはり遺言を作成するのでしたら、特定の財産を誰に引き継い
でもらいたいかを具体的に記載しておくことをお勧めします。

弁護士 田 中 宏 幸

06-6630-3005