弁護士コラム

遺留分⑸ ―遺留分の基礎財産―column

2017.09.19

Q:遺留分を算定する場合に、その基礎となる財産はどの
ようなものがあるのですか。

A:遺留分算定の基礎となる財産は、
① 相続開始時に存在したプラス財産
② 相続開始前1年間に行われた贈与の価額
③ 1年以上前であっても贈与の当事者双方が遺留分権
利者の遺留分を害することを知って行われた贈与の価
額(この場合、受贈者が相続人であるか否かを問いま
せん。)
④ 相続人に対する特別受益に該当する贈与の価額(こ
の場合、1年以上前のものでも含まれます。)

上記①~④の合計額から債務の全額を控除した金額が
遺留分算定の基礎財産になります。
この遺留分算定の基礎財産に遺留分の割合を乗じた金
額と、遺言や遺産分割の結果取得できた純財産額を比較
して、後者が前者の額に達しない場合には、遺留分の侵
害があることになり、遺留分減殺請求権があることにな
ります。

弁護士 田 中 宏 幸

06-6630-3005