弁護士コラム

遺言 ―遺言書を作成する際の注意点―column

2017.12.11

Q:これから遺言書を作成しようと思うのですが、将来、相続人である
子供たちが、相続争いしないために、どのような点に注意していけば
よいでしょうか。

A:1 遺言書の内容について
ア 遺産全部を特定し、各遺産ごとに処分内容を明確にしておく
こと
イ 相続人間では、法定相続分を原則とし、これと大差のない内
容にすること
ウ 寄与分あるいは特別受益のある相続人がいる場合は、「附言
事項」において、その相続人の寄与行為あるいは特別受益の内
容を記載した上で、当該相続人の取得額を多くしたり、少なく
したりすること
2 遺言書の内容以外の点について
ア 同居している子供に対しては、別居している子供の不満を述
べ、別居している子供に対しては、同居している子供の不満を
述べることはしないこと(相続の際の争いの元になりますので)
イ 例えば、株などで大きな利益を得たことだけを子供たちに告げ
て、大きな損失を出したことを告げないなどにより、子供たちに
財産が多くあるかのように述べることはしないこと(死亡時の財
産が少ない時、同居している子供が財産を取り込んでいると疑わ
れやすくなり、争いの元になりますので)
ウ 遺言書作成の際、子供の一人を関与させることはしないこと(
相続人間に不公平感を生む原因になりますので)

弁護士 田 中 宏 幸

06-6630-3005